実際の、LGBTウェディング。
レインボーアイルの司会者 阿部努が担当させていただいた、
こゆきさんとマキさんの場合をご紹介しましょう。
2007年9月17日。2年間の交際を経て、ウェディングパーティを開くことを決められたおふたり。LGBTの婚礼は、今よりもっと数少なかった頃でした。
会場は東京都内のイタリアンレストラン。
まだ暑さが残る中でのブライダルということで、ドレスコードは浴衣に。
約50名のご友人の皆さんに囲まれて、永遠の愛を誓いました。
その時の感激を思い出していただきながら、おふたりにお伺いしてみました。
――結婚披露宴を開こう、と思われたきっかけはなんでしたか?
こゆき 学生時代の友人から、結婚の知らせが相次いだ時期があって、
漠然と「結婚っていいなあ」と思っていました。
でも私の場合、パートナーは女性だし…と思っていたところ、友人のひとりが「してみればいいじゃん!」と言ってくれたんです。
背中を押されたような気がしました。
――LGBTの婚礼事情も、今とは違う頃でしたからね。
よく決断されましたね。
――ドレスコードについては、いかがですか?
こゆき 衣装はドレスや打掛でないものを、と考えたのが最初です。
そして、浴衣ならばゲストの皆さんにも着ていただけるだろうな、と考えました。
マキ ドレスとドレス、タキシードとタキシード、タキシードとドレスなど、どの組合せも、どこか違和感があったので。
――なるほど。衣装で悩まれるカップルは多いですからね。
――披露宴を行うにあたってのコンセプトはなんでしたか?
プログラムとしてはフォーマルなものを取り入れ、でもカジュアルな雰囲気も大事にしたいと思いました。
こゆき 指輪の交換や、キャンドルサービス、ケーキ入刀はやりたかったです。
――結婚披露宴に人前結婚式を組み込んだスタイルでしたね。
マキ それから、ふたりの披露宴であると同時に、双方の友達どうしの交流の場にもしたかったんです。
こゆき それぞれの友人が、共通の友人になっていく場所にしたかったです。
マキ その後ホームパーティを開いた時など、既に知り合いどうしなので気兼ねなく集まってもらえるようになりました。
――会場を選ばれたポイントは、何でしたか?
マキ レストランウェディングにこだわっていた訳ではないんですが…。
こゆき 友人が勤めているレストランが、ウェディングにも対応できる場所だったのと、ロケーション(新宿区)も決め手になりました。
――とても素敵なレストランで、本当に良かったですね。
お勤めのご友人も、とても喜んでくださってましたね。
――おふたりが特にこだわった点や、苦労された点を教えていただけますか?
こゆき 会費制のパーティにすること。この点にはこだわりました。色々な面でゲストの皆さんに負担をおかけしたくなかったので
マキ いざプログラム作りにとりかかると、決めなくてはいけないこと、手作りしなくてはいけないものなどが沢山あって苦労しました。
こゆき スケジュール管理が難しくて。BGMの準備は前の晩遅くまでかかってしまいました。でも、阿部さんがタスクのリストアップをしてくださったので、とても助かりました。
――いえいえ、どういたしまして。お役に立てて良かったです。
――――さて。披露宴を開いて良かったと感じられること、結婚生活についてお伺いしたいんですが
マキ 結婚生活は、概ね良好です!
こゆき また、披露宴の写真を見せることで、親へのカミングアウトができたんです
マキ 今では、お互いの親戚どうしの集まりにも呼ばれるようになりました。
こゆき 結婚することで、いろいろな、新しい”つながり”が生まれることもわかりました。
――――なるほど。それでは、今後LGBTウェディングを!
と考えていらっしゃる皆さんに、アドバイスをお願いします。
マキ ウェディングの目的や優先順位を、事前にふたりですり合わせていくと良いと思います。
こゆき 司会者との打合せは、入念に。わからないことがあっても、プランナーとしてサポートしていただけたので、私たちも本当に助かりました。
――ありがとうござました。これからも、どうぞお幸せに。
LGBTウェディングを検討される皆さんは、とても増えています。 そんな皆さんのために。また、レインボーアイルの立ち上げにあたり、と、インタビューにお応えいただき、また貴重なお写真の掲載にも快くご了解いただいたこゆきさんとマキさんに、心より感謝申し上げます |